1日目のディナー – Grabタクシーで移動
ミッション:ジョリビー Jollibee を目指せ!
プランテーション・ベイホテル内の軽い散策を終えた後、私はディナーの時間を無防備なノープランで迎えた。 リゾート内のレストランにするか、外に出るか迷ったが、事前のリサーチで気になっていた「ジョリビー」の名前が浮かんだ。
ジョリビーはフィリピンのソウルフードと呼ばれるほどのフィリピン最大のファストフードチェーン。世界に約1,800店舗を展開し、そのうち約1,300店舗がフィリピン国内にある。
その親会社である「Jollibee Foods Corporation(ジョリビーグループ)」は、世界30か国以上で1万店舗を超える飲食店を展開する超大手の外食企業。傘下には、フィリピンで人気の中華料理チェーン「Chowking(チョウキング)」、炭火焼きチキン専門店「Mang Inasal(マンイナサル)」、ケーキ・ベーカリーの「Red Ribbon(レッドリボン)」、ピザ・パスタチェーンの「Greenwich(グリニッジ)」などを展開。
さらに海外では、アメリカのハンバーガーチェーン「Smashburger(スマッシュバーガー)」や、香港発の点心専門店「Tim Ho Wan(添好運)」などもグループに加えている。街を歩けば至るところで目にするジョリビーの蜂のキャラクターは、単なるファストフード店ではなく、フィリピンを代表する外食グループの象徴でもあるらしい。
さて、そんなところにせっかく来たのだからと、思い切って、私はそのジョリビーで”今夜のディナー”と洒落込むことにした。
超便利なサービス Grabタクシー
GoogleMapで近くのジョリビーを調べたところ「ガイサノグランドモール Gaisano Grand Mall – Mactan」というショッピングモールに、ジョリビーがあることが判明した。車で約10分強の位置にある。
そこへの移動に利用したのが、Grabというタクシーの配車サービスだ。これについても、事前にネットで評判を見ていたが、実際に使ってみて予想を遥かに超える便利さとサービス品質の高さに驚愕した。
Grabのすごいところ
-
明朗会計でぼったくりの心配なし: アプリ上で事前に料金が確定しクレカ決済。ドライバーと現金のやり取りが不要。
-
圧倒的な速さ: アプリを開いて目的地と現在地を入れると、瞬時に近くのタクシーがリストアップ。近くにいればすぐに来てくれる
-
安心感: 予約した車の現在地やドライバー情報が確認できる。
普段タクシーに乗らないので分からないのだが、日本のタクシーも都心部だと近頃はこんなに便利になっているのだろうか。

アプリの支払い設定は事前に日本で設定しておいた方が良いとの情報があったのですでに設定済み。現地で設定するとクレジットカードが使えないケースがあるとか。
アプリで目的地と現在地を指定すると、瞬時に何台かのタクシーが表示された。固定料金で表示されている車が良いと思ったので、料金226.6ペソ(約570円)の車を選択。アプリの表示によると、あと6分くらいで迎えに来てくれるらしい。
部屋で予約操作を完了させ、すぐにホテルのロビーへ向かう。数分後ロビーに着くと、なんとロビー前に、既にGrabタクシーが待機していた。
「すご……!」

車の外観は、いかにもタクシー! という外装ではなく普通の車なので、乗る前に「この車でいいのかな? 」みたいなドキドキはありますが、アプリに車種名や色も載っているので、なんとなくわかった。
ドアは、自分で開けるタイプ。
ドアを開けて、
私「is this Grab taxi?」
運転手「yes,Makoto?」(私の名前を把握してる)
私「Yes」
運転手「Gaisano Grand Mall?」(行先を把握してる)
私「Yes」
くらいの、会話で目的地まで送ってくれた。

結構いい車で、乗り心地よく、車内にすっごいいい香りがしてた。なんだろうこの香り。質問したらよかった。
今まで乗ったどのタクシーよりも快適だったかも。
フィリピンのソウルフード ジョリビー(Jollibee)
タクシーに乗って約13分。タクシーはガイサノグランドモールのロータリーに着いた。多くの人々で賑わっている。
運転手が「Gaisano Grand Mall. here. 」と一言。
サンキューとお礼を言ってタクシーを降りた。

雑踏の中、すぐにわかった。
「ジョリビー(Jollibee)は本当にあったんだ!」
まるで、龍の巣を抜けラピュタを見つけたあの少年のような気分だった。
その店は、このショッピングモールを入ってすぐのところにあった。

トレードマークの陽気なハチは、まるで遠路はるばる日本からやって来た私を出迎えてくれているかのようだった。
手前の右から順番に「オッス」、「ヨクキタナ」、「食ベテケヨ」、「飲ンデケヨ」と言ってる気がした。
意を決した入店、そしてまさかのハイテク
お店の前で、私は激しい葛藤に襲われていた。
「入るってことは、注文せなあかんよな……英語で」
「そら、そうやろ」
という寸劇を心の中でしばらく上映した後、ジョリビーへ入店した。

店内は、さすがフィリピンのソウルフードと唸るほどの超満員。ふとカウンターの奥に目をやると、日本のファストフード店では見たことがないレベルの大所帯。20人近くのスタッフがひしめき合いながらも機敏な動きで、猛烈に商品を製造・提供していた。 時刻は現地時間の19時前。まさにゴールデンタイム。モニターにはたくさん注文番号が表示され、現在10人待ちくらいの状態だと伺える。

ふと見ると、カウンター近くに、日本のマクドナルドと同じタイプの大きなスクリーンの注文端末が数台並んでいた。画面のUI(操作感)は、馴染みのあるフローであり、ずらっと表示された写真はどれも美味しそうだ。商品名の意味がよく分からないこと以外は、特に迷うこともなく操作できた。
正直、このジョリビーの注文端末のUIは、値段を最初から表示しない設計思想が垣間見える日本のマクドナルドの注文端末より、操作中の安心感があった。

そして、おそらくこれが看板メニューだろうと思われるセットを注文した。
セットの中身は、
・看板商品のフライドチキン「チキンジョイ」 1ピース
・「ジョリースパゲッティ」 ハーフサイズ
・フライドポテト レギュラーサイズ
・ライス
・ドリンク レギュラーサイズ
で、190ペソ(約500円)だった。

ちなみに、この国でクレカを使う時に不思議なのが、クレカのレシートが2枚出てくることだ。クレジットカード決済をすると、レシートが1枚出た後に「もう1枚印刷しますか?」という画面が表示された。日本ではあまり見かけない仕組みだ。
何のための2枚目なのか最後までよく分からなかったが、とりあえず貰えるものは貰っておこうと思い、2枚とも受け取った。もちろん帰国した今でも、あの2枚目が何だったのかはまだ分かっていない。もしご存知の方がおられたらぜひご教示をお願いします。

クレカで決済も完了し、受け取り(CLAIM)カウンター上のモニターには私の注文番号が表示された。今から12番目のようだ。
満席の2階、そして「フォークがない」事件
しばらくすると、私のセットが出来上がったようだ。CLAIMカウンターでセットが並べられたトレイを受け取り、座席がある2階へ階段を上がる。

しかし、2階も隙間がないほどの超満員。「座る場所ないか……?」と焦ったが、運よく端っこの方に1席だけ空いているのを発見。滑り込むように着席した。
「さあ、食べよう!」と思った瞬間、スパゲティとご飯を食べるためのスプーンとフォークがどこにもない。周りを見渡しても見当たらない。私は意を決し、近くにいた店員のお兄さんに、怪しげな英語力をフルに絞り出して尋ねた。

「ウェア・イズ・スプーン(フォークとスプーンはどこですか?)」
するとお兄さんは爽やかに一言。 「ダウンステアズ(1階だよ)」
「センキュー!」とお礼を言うや否や、これから食べるセットを置いたまま、私は再び1階へに舞い戻った。

1階のカウンター横にある「ご自由に持ってけコーナー」から無事にスプーンとフォークをゲットし、2階の席へ帰還した。
フライドチキン「チキンジョイ」Chichenjoy

まずは看板メニューのチキンジョイを一口。 あ、これ美味いわ 納得
心の中で、素で出てきた言葉だ。
ケンタッキーとは全く違う初めて出会う味。衣はカリッと、中はジューシー、そして純粋にチキンが美味い。しかも油ギットギット感がない。何個でもいけそう。素晴らしくバランスを計算・研究された一品である。このクオリティををチェーン店で提供しているとは驚異的だ。なぜ、日本に一店舗もないのだろう? 不思議だ。
「ジョリースパゲティ」Jolly Spaghetti

日本で言うところの「お子様ランチの甘口ナポリタン」といった風情なのだが、これがチキンと絶妙にマッチする。甘ったるいという感じではなく、チキンに合うように絶妙に計算された味に設計されている。これも加速する食べ物だ。
ライス・ポテト・ドリンク

現地の細長いインディカ米のご飯。スパゲティ + 白ごはん、そんな馴染みのない組み合わせに抵抗を示していた私の固定観念と舌だが、それらが攻略されるまでさほど時間はいらなかった。あれ?どういうこと? 合うのよ、これが。
ポテトはマクドナルドとよく似たタイプ。コーラとの相性はいうまでもない。
ジャンクフードではあるが、すべてが美味しく、大満足のディナーとなった。レシピを設計した人は天才に違いない。 (※このセットのお値段 190ペソ 500円くらい)
帰りのGrabタクシー 〜フィリピンの底力を感じた夜〜
お腹も膨れ、最大のお目当てだったジョリビーを攻略した私は、大満足でホテルへ帰ることに。 モールの片隅でGrabアプリを開き、行き先に「プランテーション・ベイホテル」を指定すると、画面には「3分で到着」の文字。相変わらず爆速である。

ロータリーへ移動すると、白いトヨタの車が滑り込んできた。 その車内も快適な乗り心地だった。無事にGrabタクシーに乗り込み、プランテーション・ベイホテルへの帰路につく。 車窓を流れる夜の街並みを眺めながら、私はこの国が持つ「ある圧倒的な空気感」に強烈に引き込まれていた。

外灯は少なく、日本に比べれば道路はかなり暗い。それなのに、街の至る所にたくさんの人々が出歩いていて、信じられないほどの活気と熱気が満ち溢れているのだ。
何より印象的だったのは、街を行き交う人々の圧倒的な「若さ」だった。 まるで“ザ・青春”を絵に描いたような若者たちが、夜の街に溢れている。バイクの2人乗りで、前に彼氏、後ろに彼女を乗せて夜風を切るペアが何台も通り過ぎていく。夏の装いをした彼らからは、とにかく強烈なエネルギーが放たれていた。
(※フィリピンの学校は4月〜5月が夏休みらしく、私が訪れた5月下旬はちょうどその夏休みが終わりを迎えようとする時期。だからこそ、余計に街に若者が溢れていたのかもしれない。)

どこか日本の「昭和の時代」を彷彿とさせる、泥臭くもキラキラとした青春の風景。 そんなノスタルジーを感じると同時に、この国の持つ「底力」を流れる景色に感じていた。
フィリピンの年齢中央値は26歳と若い。 かつて日本が経験した1950年〜1970年頃の高度経済成長期の年齢中央値とほぼ同じだ。そして昭和の日本と決定的に違うのは、彼らの手にはスマホがあることだ。この若いエネルギーにデジタルが掛け合わさったときそれは爆発的な力になるだろう。車窓から見るその夜の街から放たれる圧倒的な熱量を感じた。
そんなディープな思考に耽っているうちに、車は十数分でプランテーション・ベイホテルへと帰着。
こうして、私の「ソロで行ってみよう!Grab&ジョリビー遠征ツアー」は、お腹も心も、そして脳の刺激も120%満たされた状態で、無事に完全コンプリート(大成功)を収めたのだった。
(第3話へつづく)

